青木隆夫の

直売所では「生産者が直接消費者へ商品を手渡し」、生産者本人がその場にいるので「消費者は必要なものを生産者に伝える」、それを聞いた生産者は「消費者が欲しいものを反映した作付を自らが工夫し、生産する」。その結果として「作ったものがすべて売り切れる」。今までにない経験に消費者は感動し、その直売所のファンになってゆく。・・・そして、これを発展させるには

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直売所甲子園決勝大会

直売所甲子園決勝大会

下記のように行われます。是非ご来場ください。


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直売所甲子園地区予選大会

 初めての試みだったが、今回の直売所甲子園は地区予選を行うことにした。参加者がお互いの情報を共有し学び合うことがその目的である。
 出場者が21団体ということもあり、地区予選は福岡、大阪、大宮の3か所で行った。参加直売所は直前の辞退もあり、九州から順に5団体、6団体、7団体であった。審査委員は佐藤弘、本田節、三善浩二(福岡)、岡山克己、楠本貞愛、大原興太郎(大阪)、榊田みどり、岡浩則、森岡亜紀(大宮)の9氏と鎌田定宗審査委員長が3地区を担当した。
 プレゼンの比較であるためにルールを設けた。時間を12分間とし、オーバーするものには減点のペナルティがあること。それぞれの得点は隠したが、事前に伝えた次の8項目を評価することとした。
①直売所経営として自立しているか
②責任者(リーダー、店長)の志や考え方、
③ビジョン(目標や方針等)が明確にあるか
④出荷者農家の所得向上対策はあるか
⑤直売所運営上の課題へのチャレンジ状況
⑥直売所運営による地域への波及効果
⑦ここならではの独自性のある取り組みはあるか
⑧その他特記事項。
 また、審査委員の得点に加えて、各出場団体から「決勝戦に出てもらいたい団体」を3か所推薦し、審査委員の合計にそれを得点化して加えた。結果として別表の14団体が決勝戦へ進出することになった。
 なお、地区予選の参加者と聴講者は、九州70名、大阪35名、大宮60名、合計165名であり、出場者以外の聴講者は25名であった。特に九州は出場団体以外から17名の聴講者がいた。ほかの直売所の取り組みを生の声で聴くことができ、非常に面白かったという。

●決勝戦出場直売所(順不同)
道の駅きよかわ(大分)
おおむら夢ファームシュシュ新鮮組(長崎)
農家直売所大地のめぐみ(長崎)
平戸瀬戸市場協同組合(長崎)
田布施地域交流館(山口)
あぐりん村(愛知)
あいとう直売館(滋賀)
JA越前丹生農産物直売所丹生膳野菜(福井)
産直市場よってって(和歌山)
伊豆・村の駅(静岡)
とんとん市場新発田店(新潟)
洋野町大野農産物直売所ゆうきセンター(岩手)
ふれあいファームセンター(埼玉)
産直あぐり(山形)

 地区予選を全般的に講評すれば、いままで決勝戦に出場した経験のある団体は、スライドも作りこんでおり、発表も今回のテーマである「個性」と「特長」に関して、十分に時間を使い審査委員にわかりやすく説明をした。初めての直売所は、地域の地勢や自然の説明に手間取るケース、丁寧な説明のあまり聞くものを飽きさせるケース、などが気にかかるものもあった。地区予選を糧にして、決勝大会はプレゼン内容をブラッシュアップすることを期待したい。


大阪大会7

あいとう直売館

審査委員
6
JA越前丹生膳野菜
8

大宮大会

出場者の皆さん
13
産直あぐり叶野店長
12
プレゼンテーションゆうきセンター
11
プレゼンテーション瀬上村長(伊豆村の駅)
9
九州大会

表彰式
5
NHK福岡放送局
1
審査委員の皆さん
2
田布施交流館のプレゼンテーション
4

弁当と直売所

 直売所の農産加工品は売場には欠かせないものとなっている。加工品はジャム、ジュース、漬物など、旬に大量に収穫できる農産物の長期保存を目的としたものと、直売所の野菜を利用した消費期限の短い「惣菜」がある。毎日良く売れるのは、もちろん後者の惣菜である。直売所によっては、すべての売上の30%近くを占めているところもある。


 そのなかでも、特に売上が大きいのが弁当である。直売所で製造し、目の前で詰めてくれるものもあれば、個人の加工所で作られる揚げ物、煮物、焼き物など、女性たちの得意な料理を組み合わせた弁当、おにぎり、寿司類など、どれを買おうか迷うほど多くの種類がある。これは、直売所に限ったことではなく、スーパーのほかにも宅配などで弁当が売上を伸ばしている。


 その弁当市場の活気を支えているのが、高齢世代である。調理が毎日の生活の中で負担になってきているのである。特に直売所では、利用者の年齢を調べてみると、60歳以上が6~70%を占めていることも珍しくはない。高齢者をターゲットとした商品提供、なかでも胃に負担の少ない手作り弁当に人気が集まるのも当然のことである。
 私自身もこれから直売所を新設しようというコンサル先では、1年ほど前から保健所の担当官を招き講習会を開くなどして、積極的に製造することを薦めている。旬と端境期があり売上の不安定な野菜を補完するうえでは不可欠の商品だからだ。下表のように、弁当、総菜などの調理済み食品に取り組まない手はない。


 しかし、問題もある。保健所の許可を得て、単独で運営している施設ではなく、飲食店の厨房で作っている弁当も直売所や道の駅には数多く出品されている。店の名前でなく個人の名前で登録されるので、消費者にとってはあたかも農家の手作り品のように見える。

 もう一つの問題は、繰り返すようだが飲食店の厨房の衛生状態である。「衛生優良店」のような保健所のお墨付きがある店なのに、レンジの周辺は油だらけ、コックさんは帽子一つかぶらず普段着のまま調理している、裏庭で魚を焼いているなどなど…パッと見でも、ヤバいことがわかる。農家には厳しいのに、どういうわけか保健所は飲食店にはまったく甘いようだ。そのうち必ずどこかで事故が起きるに違いない、と私は思っている。


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直売所の弁当コーナー500円前後の価格帯が良く売れる


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食料、調理食品及び外食の実質年間支出金額指数の推移(1980年=100)


*「弁当及びそうざいの衛生規範」(昭和54年6月29日 環食第161号厚生省環境衛生局食品衛生課長通達)には以下のように定義されている。
●「そうざい」の定義
通常、副食物として供される食品であって、次に掲げるものをいう。
①煮物:煮しめ、甘露煮、湯煮、うま煮、煮豆等
②焼物:いため物、串焼、網焼、ホイル焼、かば焼等
③揚物:空揚、天ぷら、フライ等
④蒸し物:しゅうまい、茶わん蒸し等
⑤和え物:胡麻あえ、サラダ等
⑥酢の物:酢れんこん、たこの酢の物等
●「弁当」の定義
主食又は主食と副食物を容器包装又は器具に詰め、そのままで摂食できるようにしたもので、次に掲げるものをいう。
・幕の内弁当等の○○弁当、おにぎり、かまめし、いなりずし、その他これに類する形態のもの及び駅弁、仕出し弁当等。



ながさき南部生産組合40周年、おめでとう。

 ながさき南部生産組合が40周年を迎える、ということでおっとり刀で島原に駆け付けた。会長の近藤一海さん、代表理事の児玉光博さんと知り合ったのはサイボクにいたころ、大地を守る会の道場さんからのご紹介であった。その後、オーストラリアに畜産の視察旅行をした。当時、児玉さんは柑橘と共に肉牛肥育にも取り組んでいた。本場を見ることで、貧しい牛飼いを諦めさせることが近藤さんの目的であったのかもしれない。岩手県山形村の小笠原さんも同行していたのだが、そちらのほうは諦めることなくショートホーン日本短角種を地域の特産品に育て上げている。
 もちろん視察だけでなく宿泊地のトゥーンバからタクシーで出向いたブリスベンのカジノやシドニーの怖い場所での冒険も忘れることができない。みんな元気があり余っていた30年以上前の話である。
 その後の近藤さん率いるながさき南部生産組合の快進撃は、ここで語るまでもない。現在の組合員は150名、平均年齢53.7歳、取扱高23億円、1人当たりの生産額は約1100万円になる。有機農業を原点とする専業農家の集団である。取引先は首都圏および九州の生協、らでぃっしゅぼーや、および自社の直売所である。
 私が再び、南部生産組合にかかわるのは、いまから10年ぐらい前のことだ。近藤さんから相談があるというというので、南有馬町の本部へ出かけた。組合員の高齢化や現在の販路が生協に限られていることなど、組合は今は順調だが将来を考えると直売所へ乗り出すべきではなかろうか?ということであった。初めて出会ったのが直売の元祖サイボクであったので、近藤さんも興味を持っていたのだろう。
 とはいえ、事態は簡単には進まない。まず、生粋の百姓集団であるために、直売所への出荷がどうも腑に落ちない。島原という土地に消費者も観光客も少ない。道の駅もあるが閑散としている。雲仙が噴火した後だから、なおさらのことであった。
 そこで、土地を島原ではなく輸送可能な諫早市に求めることになった。大変苦労したのだが、貝津町にある創成館高校が、グラウンドの一部を売却してもいいと言う。さっそく不動産屋と共に理事長に面会をし、良い手ごたえを感じた。その後、多少の紆余曲折はあったのだが、無事土地は取得できた。なお、当時は弱小チームであった野球部も今年甲子園に出場するようになった。
 その一方で、近藤さんとはスローフード協会主催の第1回テッラマードレへ出かけたり、30周年向けの書籍を作ったり、その講師に猪瀬直樹さんにお願いしたり、また、組合員の合意形成に向けた講演会などを行っていた。平地などほとんどない半島の畑で組合員たちは実によく働く。登録されている畑は9000枚に及ぶ。会議や講演は昼間ではなく夜行われ、それからじっくり体力と胃袋勝負の酒宴が始まるのである。天草四郎の乱以降に入植した百姓の末裔たちは実にタフである。また、南部生産組合の周辺では諫早干拓が進み、雲仙の復興も着々と進んだ。
 農家のバザール「大地のめぐみ」が立ち上がったのは、最初の話から3年ぐらい過ぎていた。産地デポを利用した運送方法、漁協との連携、仲間との連携など、大急ぎで品揃えの形を作った。平成16年の暮れに開店し「大みそかまで10日間で1000万円売ろう!」と近藤さんは気合を入れたものである。しかし、産地から離れていることは直売所にとって大きな不利である。島原の野菜は定評があるが、生産者が近くにいないので、なかなか消費者ニーズが理解できない。供給と需要のマッチングが直売所の取柄であるの…。始めて1年はいつも野菜が足りないような状況であった。
 苦労するほど知恵は湧いてくる。この百姓軍団は決して簡単には諦めない。長崎の生協、ららこーぷの理事長を口説き、有力店舗にインショップを作り、直売所をその配送拠点としたのである。流通量が増えれば生産者もよいものを運んでくる。徐々に売上が増えてきたのである。さらにこの手口を見た福岡のエフコープがインショップを作らないかと声をかけてきた。現在は、福岡、長崎に10店舗のインショップを持つようになった。売上は直売所と合わせると5億円を超えるようになった。生産と並ぶ事業へと直売所が徐々に発展してきたのである。そして昨年は福岡県春日市に「大地のめぐみ2号店」を出店したのである。

 さて、今回の40周年記念フォーラムの参加者は250名。日本全国から関連ある自立している農家、そして取引先がやってきている。東京の人と島原で会うのもおかしな話だが、これも近藤さんのご人徳と変わらぬ活躍のおかげである。これからは現在の代表理事である児玉さん、そして専務である永池さん、永友誠さんという新しいリーダーたちのもと、循環型農業の実現と付加価値販売を成功させ、さらに50年先まで発展されることを望みたい。
なお、式典に続いて行われたフォーラムの演題と講師は、以下の二人であった。
1.「TPPと日本の選択」 ノンフィクション作家 関岡英之氏
2.「農業経営政策の展開方向」 農林水産省経営局長 奥原正明氏

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秋冬野菜、大ピンチ!

2週間ぐらい前に植えつけたわが家の大根、日光が当たらず、ひょろひょろになっている。そして昨日の大雨。手の打ちようがなくボロボロです。

これは自家用なのでどうでもいいんですが、産地の茨城、栃木、埼玉、千葉の状況も大変だという話が伝わってきます。そして、昨日から続く未曽有の雨災害。


それから、いま開業準備を支援している埼玉の大型直売所、11月に開店なのです。農産物の品揃え、なんとか手を打たなくては!


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いやはやこの始末です。

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